ああ、きっと

ほぉ、初めて経験したよ。腹が、臓器がぐちゃぐちゃになって出てきそうな思いを。心拍数は通常の３倍くらい、心臓には針が刺さったみたい。面白いくらいだよ、でも笑えないんだ、セルを前にしたベジータのようにさ。

ああお前らにはわからねぇだろうよ、俺にもわからねぇ。人が二人いるだけで今にも衝突しそうだっていうのによ、世界が平和なわけがない。さぁ、俺が『安泰』を選ぶのか『冒険』を選ぶのか…そろそろ決めなければならない時が近づいている、いづれにせよやることは同じ。いつやったって同じことなんだ。

朝を迎えてしまった。「今日」に色はなく、感情も何もない。俺はいくらかの不甲斐無さや後悔と少々の怒り、あとのほとんどがあきらめである。なんて非力、俺にはベッドの柵を壊せる力すらないんだ。そうやって自分を傷つけることしかできない、痛みを感じることしか。蚊に刺された時に痒さのあまりに自分の皮膚を叩いてしまうのは、「痒い」ということよりも「痛い」ということの方がマシだからだそうだ、教えてもらった。今はまさにそうだ、わけのわからぬ精神の痛みより、硬い木を殴る手の痛みの方が何十倍も何百倍も楽なもんだ。ましてや寝坊、そりゃ死にたくなりもするよ、俺は死なないけどさ笑。